さて、今日の問題です。
絵では、クジラが亀になっていますが悪しからず。
3MX56
クジラのマッコウ君の今日の夕飯はプランクトンです。
今、赤プランクトンと青プランクトンと緑プランクトンが
合計で2712匹います。赤プランクトンは青プランクトンと
緑プランクトンの丁度3倍で、青プランクトンは緑プランクトン
の丁度(ちょうど)半分います。では、赤、青、緑の
始め、3倍を3匹多いと勘違い。
その後・・・どうやら、青を基準にして500、赤1500、緑1000と
あたりを付けて数えたら2712匹より多くなったので、
今度は青400、赤1200、緑800ではどうなるか
数えたら2712匹より少なくなってしまいました。
中間をとって、青450、赤1350、緑900ということで、
数えたら2700匹になりました。
そこで今度は
足りない12匹を最後に赤、青、緑に分配
することにしました。
始め、赤9、青3、緑6にしたところ、
21匹を超えてしまったので、最終的に
赤6、青2、緑4にして12匹。
ぜーんぶ足して、2712匹ということで
やっと辻褄が合いました。
で、答え赤1356匹、青452匹、緑904匹
正解!
さて、
ここで面白いことなのですが、
この問題を解いた子供は現在3年生で
学校ですでに四則演算を全て習っています。
しかしながら使っているのは
なんと足し算のみ!
数の差や倍数(基準の値のいくつ分)の
概念はもちろんありますが正式な形としては
掛け算や割り算、引き算も出てきていません。
そこで、
このことから何が学べるか・・・
まずは、
こんな複雑な問題も足し算だけで解けるんだということ。
そして、
小学3年生が自力で考える過程では
もしかして、まだ
式として掛け算や割り算を使いこなすに
至っていないことがある
カモということなんです。
裏を返せば、少なくても3年生頃までは、
掛け算、割り算の式の形で手順を
教えてもらって
答えを出せたとしても、
その意味を本当に分かって使えるか
応用出来るかどうかは怪しい場合がある
ということになります。
さてここで、具象思考と抽象思考のお話をします。
一般的に9歳頃(小学校3年生頃)に
脳が変わる時期が訪れるのですが
例えば、乳歯が永久歯に変わるようなものなのです。
もちろん、乳歯は5~6歳と脳よりも少し
早く生え変わりが始まりますが。
つまり、それまでの具象思考や抽象思考能力を
より高度な段階に進化させる時期に来ているのが
この頃の子供達です。
9歳の壁とか10歳の壁と言われるものです。
そして、その移行期をより高いレベルで
移行できるようにするためには、
逆説的に聞こえますが、
過渡期を終了するまで
具象思考を続けるということなんです。
その過渡期が終了するのが
11歳から12歳と言われています。
具象思考を続けるというのは・・・
言葉を聞いて(読んで)、
0から自分のオリジナルのイメージ想起をして
そのイメージを操作するということに他なりません。
言い換えるならば、自分の描いた絵を
目で視て考えるということ
になります。
子供達の高度な抽象思考能力を養成するために
最も重要なことは、
過渡期を過ぎるまで、
抽象思考が出来るようになったからといって
数字や記号や文字のみで学習を行うのではなく、
必ず、
そこにその数字や記号や文字が表象している
具体物(イメージ)を伴う学習が大事ですよ
ということなのです。
そして、その具体物はオハジキや物品といった
ものではなくて、
自分の10本の指(体感)と
0から自分オリジナルで想起した
自分自身が作り出す視覚イメージである
必要性があります。
物品だといずれ限界が来ますが
視覚イメージはほぼ無限に想起可能だからです。