進化13 計算の前に理解力と思考力を身に着けよう!
オリジナルのイメージ想起力と
そのイメージを使って目で考える力が、
後々どれだけスゴイ威力を発揮するか
ということを理解している人はまだあまりいません。
しかし、子どもの成長は待ってはくれませんので、
幸運にもどんぐり問題に出会った人は、
とりあえず理解出来なくてもまずは、
使用上の注意を良く守って取り組んで
みるということをお勧めします。
副作用は何もないので、
もし上手くいかなかったとしても
痛くも痒くもないから安全です。
出来れば5歳~6歳の計算学習を
始める前の未就学の時期に、
理解する方法、考える方法を、
子どもたちに体験的に教えておくこと。
そして、少なくても小学3年生までは、
家庭では余計なことをさせずに
理解力と視考力をゆっくり、
丁寧に育んでおくと、
その後、それまで地下で育まれていたけれど
まだまだ見え隠れしていた、
そんな才能が、外から見ても
明らかに分かるようになってきます。
3年生後半から4年生頃、
学校でも学習内容の難易度が高くなり、
学習スピードも速くなってくるこの時期に、
勉強が苦痛になったり、出来るけれど
嫌々やっているような状態になるか、
それとも難問に出会っても
楽しむことができるのか・・・
その分かれ目を決めるのが、
年長さん~小学校低学年の過ごし方です。
この時期に、家庭学習の習慣をつけ、
理解と思考のための学習方法を
しっかりと教えてあげましょう。
以下の作品を見てください。
同じ子供が年長さんのときに描いたものと、
1年生になってから描いた作品です。
0MX35 ねんどがすきな ねこと
ねずみが ねんどで ねんどだるまをつくりました。
ねこが つくった だるまには ひげが
6ぽん ねずみが つくった だるまには
ひげが 8ほん ついています。
ねこは だるまを 3つ、ねずみは
だるまを 2つ つくりました。
では どちらが つくった だるまの
ひげが なんぼん すくないかな。

↑A君 年長さんのときの作品

↑A君 一年生のときの作品
年長さんの時期には、
言葉からイメージ想起することを抵抗なく、
楽しく出来ることを目標にします。
多少(もしくは、大いに)脱線しても
構いませんので、自分の体験と
照らし合わせながら豊かなイメージ想起が
出来ることが望ましいのです。
一年生になると、徐々に問題が
解けるようになってきますが、
計算だけで解こうとする場合は注意が必要です。
必ず、絵を描いてそれを、動かしたり、
比較したりしながら、目で考える
練習をするその過程そのものが、
その後の学力を伸ばすためには非常に
重要なことになります。
つまり、描いた絵の中にすでに答えが見えている
状態がベストです。
ですから、上の問題では、
18-16=2 のように、
単に答えを出すことには
あまり意味がありません。
問題で問われていることを
導きだすために、どのように
絵を工夫することが出来たか、
そこがとても重要なことになります。
また、例えば5-3=2という計算が
出来ても、何個多い、何個少ない、
差、違いなどをよく理解していない場合も
少なからず見られます。
計算は手順を覚えることで
出来るようになりますので、
子どもが本当に理解しているかどうかは、
どんぐり問題で確認してみるとよいでしょう。
自力で絵が描けない、
動かせない場合は、要注意です。
数式も文字も単なる記号にしか過ぎません。
しかしながら、多くの人は、
算数も国語も数式と文字という、
見栄えのするものにばかりに
気を取られているあまり、
算数・・・自力で問題解決をする力
国語・・・感じる心と伝えたい内容を自分の中に育む
という最も根幹の部分を
育てることを忘れてしまっています。
また、学童期には科目別に
授業が行われますが、
実は算数も国語も同じ方法で
伸ばすことが可能なのです。
学童期の学習は、
より高度な形になるとはいっても、
まだまだ、幼児期になされるべき
プロジェクト型、体験型の
学習形態をとった方がより
効果的であるとも言えます。
つまり、学童期の論理的学習の中にも
楽しさを組み込むことが大切であり、
国語も算数もそれぞれを切り離すことなく、
総合的に育てていくことが重要だからです。
そのことから言っても、
どんぐり問題は最高の学習素材だと言えます。
まずは、楽しく理解力と思考力を養い、
問題を解決する能力を身に着け、
その後にその解決した過程を、
他の誰が見ても分かるように数式をつかって、
理論展開をプレゼンテーション出来る力を養う。
そして、豊かな人間的判断が
出来るようにしておきます。
そこまでを6年生の間に終了します。
そして、中学生からそれぞれの科目で、
系統的知的教育を行うというのが
教育の正しい順序なのです。