ルクセンブルクで
小学4年生の次男とどんぐり問題をしています。
さて、先日おこなったのは
分からん帳に入っていた
こんな問題です。
<3MX30>
サンタさんが、子ども10人に、
そのお菓子1個の丁度2倍の値段がする玩具を2つずつ買ってあげ
ています。ただし、
1個いくらのお菓子と1ついくらの玩具を買ってあげればいいでし
次男は、この問題を最初見た時
『絶対また分からん帳行きだー。』と思ったそうですが、
『実は簡単だった。』
そうです。
そして、
『だって、トリックを発見したからね~♪』
と、にやにやしながらなんだか自慢げに
解いた問題を持って来た。
というのも、
今までは、類似問題で
一つの飴や玩具の値段を何となく
見当をつけてそれを、全体の予算に合うまで
計算していたそうです。
ですが、今回、
『割ればいい。』
ということに気が付いたそうです。
140ユーロを10人で割って一人14ユーロ。
つまりお菓子3個とお菓子の2倍の値段の玩具2こが14ユーロ。
お菓子2ユーロ、玩具4ユーロ
ははは、やっと気づいたか!
さて、あなたはここで、
小学4年生なんだからそのくらいの割り算は
できて当り前と思うかもしれません。
(思わなかったら失礼しました!)
学校でもう割り算習ったんだから
出来るでしょ。
でもね、実は、ここが落とし穴なんです。
さて、
ちょっと話は飛びますが、
今年10月に行ったスペインの小学校での
セミナーの先生への事前アンケートで、
こういうのがありました。
『子供たちは概念を学び、それを機械的に
行うことはできるのですが、それらが本当は
どこから来ているのかをよく理解できていないということを
心配しています。』
そして、セミナーの中でも、
例えば、一つの単元を終わって次の単元に
行くと、前の単元のことを忘れる。
こんなことを多くの先生がおっしゃってました。
そうなんです、
子ども達、習ったことを機械的には直ぐに
出来るようになるのですが、
習ったものをどう応用するのか、
それぞれの項目がどう関連しているのか
ということを分かっていない場合が
よくあるんですね。
出来る=分かる、理解する
という公式は成り立たないんです。
学童期の子ども達は、まだまだ言葉とか数式だけで
論理的に考えるには限界があります。
学習項目は一般的に演繹的です。
つまり、原理原則、理論➡応用という手順です。
理論をつなげていって結論をだすので
かなり、抽象的ですよね。
しかし、
自分で考えることが出来るようになる基本は
帰納的な学習の積み重ねなのです。
さまざまな具象(身の周りの具体的なこと)➡共通項の発見
つまり、いろいろやってみて、
あ、こういう場合はこうすればいいんだな。
というところを自分の力で突破することが
とっても大事なんですね。
地に足のついた方法でやっていくと
本人が納得できるんです。
自分であれこれやってみる帰納的な
学習(遊びの中での工夫もふくめ)
をやって基本的な考える力を養っていると
逆方向の演繹的学習(もっと抽象的)も
スムーズに理解することができるようになります。
この基本のところを
すっ飛ばして、
表面上の『学校でもう割り算習ったんだから
出来るでしょ。』
の『できる』というところにフォーカスをすると、
まんまと落とし穴に落っこちます。
今のとこ出来てるし、点数も取れてるから
と安心します。
もしくは、『できない』『遅いから』から・・・
といって焦ったり・不安になったりします。
しかし、
フォーカスする部分は、
土台の部分です。
自分でいろいろやって
試行錯誤しながらたくさんの思考回路を
作っているかどうか、
ゆっくり・じっくり・丁寧に
時間をかけて自分で納得しながら
着実に積み上げているかどうか
そこにフォーカスをしましょう。
そうでないと、
学年が上がるにつれて
算数や数学までも解き方やパターンを
覚えて解く暗記教科になってしまいます。
それでも、
大学受験は乗り越えられますし、仕事も
できるのでいいと言えばいいのですが、
やっぱり勿体ない!
多くの子ども達に自分で考えることの
面白さを味わってほしい!
そして、
もっともっと可能性を
広げてほしい!
さて、
●配ります、分けますというような言葉が出てきたら割り算です。
ほら、こういう問題のときは割り算を使うんだよ。出来たら花丸。
●数も大きくて、若干複雑な文章問題をノーヒント
ノーアドバイスで、自分の力であれこれ工夫しながら解く。
答えは出なかった。でもいろいろやってみた。
この二つの学習法、どちらで育てたら賢くなるでしょうか。
もうお分かりですよね。
ここが、どんぐり問題で、答えはオマケと言われる
理由です。
正解かどうかは関係ないんです、
どうやって解いているかがとても重要なのです。
脳が成熟した中学生以降では出来ることを
求めてもいいと思います。
それまでは、木の根っこの部分を
どれだけ太く深く伸ばせるか、にどうか力を
注いでくださいね。